Motor Protein
細胞の中は実はスカスカな空間ではなく、様々な部品や装置で混み合っています。このような環境の中では、物質が自由に動き回ることは困難です。
特に神経細胞は細長い形をしているため、必要な物質を中心から遠く離れた場所まで届けるのは容易ではありません。そこで私たちの細胞には、決められた「レール」に沿って荷物を運ぶように設計された小さな分子機械が働いています。
その運搬装置の一つである「キネシン」は、情報を伝えるための物質や、細胞のエネルギー工場となる小さな装置を運ぶことで、神経細胞が正しく働くことを助けています。同じレールを多くのキネシンが行き来するため、時には渋滞が起きることもあります。
このように、細胞ひとつとっても、その中に私たちの生命活動を支える愛しい存在がいることに驚かされます。